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ブラック広告代理店、その名はアソシ

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アソシという会社は、一言でいうとブラック会社。みんなが出社してくるのが10時30分ぐらいである。一応、9時から仕事なんだけど、みんな全然来ない。入社前はフレックスだと聞いていたが、とんでもない。単なる遅刻である。勿論、タイムカードによってしっかり給料から引かれている。時間にルーズな僕はその波に何度も飲み込まれそうになったが、ここで流されて遅刻をすると敗北者になるような気がして必死に毎日9時に出社した。ワールドカップ中は朝のスポーツニュースを見てから出社していたので、10分ほどの遅刻をしていたがそれは大目に見てくれ。

 毎日、出社すると誰もいない。することもない。今更Macで遊ぶこともない。マシンはインターネットにもつながっていない。11時ぐらいまでボーと時間を潰すことになる。味わったことのある人は分かると思うが、何もすることがないというのはかなりツライ。

 自分の中でこれではイカンと思い、今日はこの本を読もうとか、これを覚えようとかノルマを作ったりした。しかし、オフィスの壁にはいくつものパイプがあり、そのパイプは僕たちのやる気や夢を吸い取って、代わりに裏切りや絶望を吹き込んでくる。言い訳っぽいけどそうではない、本当にそんな感じのするオフィスだった。オフィスに入った途端にやる気がなくなってしまうのである。出来ることならみんなを招待してあげたい。

 おそらく、会社にいたメンバーみんな最初はやる気にみなぎっていたんだろう。しかし、いつの間にか夢も砕かれ、骨抜きにされてしまいダラダラとした毎日に身を沈めていった。
 大谷さんは会社の中で局長の目を盗んではプレーステーションをし、住友さんは局長の目を盗んでは早弁をし、暴睡し、橋口さんは眠るために髪の毛を伸ばした。みんな気づいたら前のサンクスに時間潰しに行っているし、昼休憩は1時間って決まっているのに、1時間で帰ってくるやつなんて一人もいない。誰が悪いって、そらアソシに決まってんじゃんか。
「おい、住友、お前イスに座りながら上向いて口開けて眠るのはやめろ!」一応女なんだから。
どうもすいません、先輩に対してこんな口の聞き方の僕もかなり問題ありです。よーく、分かっています。僕はジーパンでゼロックスさんや住商さんと会って、クリエイティブディレクターと書かれた名刺を渡す。

「もう長いんですか。」
「いえ、大学卒業して2ヶ月です。」

おかしすぎる。いや、おかしすぎた。過去の話です。笑いましょう。わっはっは。なんかこう書くと楽しそうだな。僕は社内環境やネットワークの窓口となり、一応システム部長になった(なんのこっちゃ)、そして、ゼロックスさんや住商さんに非常によくしてもらっていた。といっても向こうは仕事だけどね。その頃、会社の僕宛に友達からいたずら電話が多かったので、一度住商さんにはかなりの失礼をしてしまったこともある。

「いつもお世話になります、住商の山田と申しますがなかたにさんでしょうか?」
「ウソつくな、石塚さんやろ」
「はっ?・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「すいません、失礼しました、最近、いたずら電話が多くて」

 考えられへん。本当に失礼しました。いえ、僕が悪いんじゃありません、アソシが悪いんです。きっと。
こういうエピソードは挙げればキリがない。僕と小島くんは会社にあるコーヒー、紅茶、お茶を使いきり、会社の経費でココアまで買えと稟議書を書きました。とにかくむちゃくちゃやってました。何が悪いって、いや、だから、アソシが悪いんです。

 あまりに金がないので、家から弁当持ってきて、早弁して、昼休憩には会社でコーヒー作って、ビルの廊下をこっそり渡って、ビルの非常階段の踊り場で1時間コーヒー飲みながらしゃべり続けてました。僕たちのことをビルの警備のにいちゃんも覚えてしまって、あー、今日は雨ですからね、とか話かけてきてくれた。時には2人で踊り場で暴睡して寝過ごしたこともあったな。オレはおおイビキで。あの時は、昼休憩2時間近くとってしまったな。最低やわ。

 考えれば、警備のにいちゃんはアソシのことどう思っていたのかなー。
 なんか楽しそうに聞こえるかもしれないけど、勘違いしないでください、僕たちは犠牲者です。それもかなり重傷です。

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